地震をきっかけに考えたい「車での過ごし方」
2026/08/24
車中泊、"できる"と"続けられる"は違う
多くの乗用車は、人を安全に運ぶために設計されています。
そのため、シートを倒して一晩を過ごすことはできても、それがそのまま健康の維持や回復につながるとは限りません。
足を伸ばせるか。寝返りが打てるか。朝起きたときに体の痛みが残っていないか。
一泊であれば、多少窮屈でも「なんとかなった」で済むかもしれません。
けれど車中泊が数日続くと、話は変わってきます。
同じ姿勢を長く続けることは、エコノミークラス症候群のように、健康そのものに関わるリスクにもつながっていくからです。
体を十分に休められなければ、いざという時に踏ん張る力も残っていません。
車中泊をする場合は、体をリラックスさせられるようシートの倒し方を工夫したり、精神的にもリラックスできる環境づくりが必要です。
まずは自分の車で一晩過ごしてみる
「もしもの時」のために特別な準備をする前に、まずは旅先で試してみることをおすすめします。 実際に車の中で、長時間横になってみると、「思ったより狭い」「段差が気になる」「マットがあると眠りやすい」など、自分の車に合った工夫が見えてきます。 1回で最適解が見つかるとは限りません。 機会を見つけていろいろ試していくことが大切です。 最近では、車中泊用のマットや目隠し、収納用品なども充実していますし、100均ショップにも応用できるものがたくさんあります。 ブログや動画では、車種ごとの工夫も数多く紹介されています。 旅を楽しみながら経験を積むことは、結果として「車で過ごす力」を育てることにもつながります。
キャンピングカー・ルーフトップテントだからできること
もっと快適に車旅を楽しみたい方には、キャンピングカーやルーフトップテントという選択肢があります。
どちらも共通しているのは、「眠ること」「休むこと」を考えて作られていることです。
体をまっすぐ伸ばして眠れること。
そして何より、自分だけの空間を確保できること。
これらは、旅の快適さを大きく変えてくれます。
誰にも気を遣わず、自分のペースで過ごせる時間は、旅先だからこそ得られる贅沢のひとつです。
とはいえ、いきなり購入する必要はありません。
レンタルで実際に使ってみることで、自分に合ったスタイルを知ることができます。
キャンピングカーの広々とした居住空間が合う人もいれば、普段運転している車に近い感覚で楽しめるルーフトップテントが合う人もいます。
まずは体験してみることが、自分らしい旅のスタイルを見つける近道です。
旅で身につく経験は、もしもの時にも役立つ
旅は、防災のためにするものではありません。 けれど、旅で身につく知恵や工夫は、もしもの時にも役立つことがあります。 私自身、30代の頃は夫とキャンピングカーで旅を楽しみ、現在はルーフトップテントで各地を巡っています。また、能登半島で災害支援にも携わってきました。 避難所での暮らしを間近で見てきて、あらためて感じたことがあります。それは、自分自身が旅先で重ねてきた経験と重なるものでした。 日常生活で当たり前に思っていた「自分だけの空間」「まっすぐ体を伸ばせる場所」――そのひとつひとつが、実はとても大きな意味を持つのだということです。 なぜそう思うのか。それは、横になって体を休めることは「体力の回復」だけでなく、「自分を保つこと」にも直結しているからだと思います。 旅先でも、慣れない環境で周りに気を遣いながら眠る夜が続くと、ストレスが溜まっていきます。逆に、たとえ短い時間でも、自分の空間で、自分のペースで体を休められる時間があると、リフレッシュできて、気持ちにも余裕が生まれます。 そしてもうひとつ。旅で車を「移動の道具」以上のものとして使ってきた経験があると、いざという時に「車で過ごす」という選択肢が、特別なことではなく、自然な発想として浮かびます。準備していたからではなく、すでに知っていたから動ける。 そこに、旅の経験の意味があるように思います。 車は「移動するための道具」から「安心して過ごせる場所」へと役割を広げられる。旅で重ねてきた時間が、そのことを教えてくれました。
ルーフテントの様子など(YouTube「のんびり風子の風まかせ」)
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